【番外編集】オレンジ色の奇跡
「ちっげぇーよっ!!え、華(はな)も一緒に行くのか?ってか何で?!」
『うっせーな。華は置いてくんだよ。何でってなぁ……、どっかの馬鹿が婚約者を放って、恋愛結婚なんてしようとしてるからに決まってんだろ。
それに、あのクソ狸ジジイの下でこき使われるのはマジ腹が立つんだよ。俺様が秘書だったことを有り難く思うんだな』
「はあ?!お前、神崎産業の秘書やめたのかーっ?!おいおい、日本のトップを争う総合商社社長の第一秘書やめちまうなんて……。もったいねぇー」
クソ狸ジジイ、か。
あのヒナが、よく今まで我慢してたよな。
どっかの馬鹿って神崎産業社長の、あの一人息子のことか?
確か舞希の友達の……、髪の毛が黒いほうと付き合ってるって聞いたことあるな。
っていうか、華と一緒に行かねぇんだ。
「……え?ヒナお前、ひとりで行くのかよ。華、怒ってんじゃね?」
『華に言ったら、激怒して実家に帰った』
「当たり前だろ」
アメリカに行く話に区切りをつけて、本題にもどす。
あれこれ喋って、結局は啓輔の気持ち次第ってことになった。