【番外編集】オレンジ色の奇跡
「じゃあ、頼んだ」
『はぁー、迷惑。未だに華は機嫌悪ぃし』
「でも、実家から帰ってきたんだろ?それに、アメリカで生活するって言っても1年とかそのくらいじゃねぇの?」
『残念、4年。ニューヨーク州立大学で経営の勉強すんだよ』
「……お前と付き合ってる華が可哀想だ。っていうか、何で今さら経営なんか勉強すんだよ」
『日本で華と一緒に会社作るために決まってんだろ。俺が行く大学は、ビジネススクールって言われるくらいの大学なんだよ。日本より学費も生活費も安いんだ。だから仕方ねぇ』
「はいはい。もう何言っても無駄だな。で、サクは知ってんのか?」
『実はまだ言ってねぇ』
楽しげにクスクス笑うヒナに釣られて腹を抱えて笑い、サクに教えてやるか、とリビングに出て携帯を渡した。
「おおっ、ヒナ!華、元気か?最近、全然連絡くれないから――え?……はあっ?!!!聞いてねぇよっ、そんなこと!いや、言ってないからって言われても……、マジかよ……」
相当驚いているらしく、瞬きを繰り返している。
しばらく話して、俺に携帯を突き付けた。