夢見月夜に華ト僕<連載中>
だけど、私だって本当は、ちゃんとわかっている。
世間の常識くらい、もうとっくに身に付いているんだから。
今、私がやっていることは、ほとんど何もかもが、常識から逸脱していることだし、
最低だと罵られても、致し方ないことなのだろう。
そして同時に、彼女がいるのに、私を家に置くカイも最低で、決して許されることじゃない。
わかっている、そんなこと。
わかってはいるんだけど……
だけど“わかる”のと“できる”のとは、違う。
わかっていても、そんな世間に対応しようとしない自分がいる。
うまく溶け込めない。
何故だか、受け付けようとしないんだ――
どうしても、無意味に思えてならない。
法律で定められたわけでもない、そんな世間のルールなんて。
守る必要など、ないと感じてしまう。
それは多分、今は空虚と化している、本当の私。
きっと、それと関係があるのだろう……