夢見月夜に華ト僕<連載中>
そんな女の眼差しに耐えられない俺は、女の瞳を避けるように、少し上にある、女の髪に視線を外した。
そして気付く。
……髪が、濡れている?
違う。
濡れていたのは、女の全身だった。
真っ白であろう飾り気のないワンピースは、女の体にピッタリと張りつき、華奢な体のラインを露にしていた。
まさか……
この池に落ちたのだろうか?
何のために?
……自殺?
いや、どう考えたって死ねる深さではないはずだ。
それじゃあ、落ちたのだろうか?
しかし、その考えもすぐに打ち消された。
いくら辺りが暗いといっても、そう簡単に落ちるような場所ではないだろう。
俺は、自分自身の中で自問自答を繰り返していた。
そしてその中で、またひとつ、答えが浮かぶ。
もしかして……
コイツは、俺ができなかったことをしてしまったというのだろうか――