夢見月夜に華ト僕<連載中>
嫉妬
裏切り
焦燥
落胆
喪失
憎しみ……
いろんな言葉が、頭の中をグルグル巡っていたけれど、
そのどれも、今の俺の気持ちに、ピタリと当てはまるものは見つからなかった。
しいて言うならば、これらを全てごちゃ混ぜにして、グチャグチャにしたものなのかもしれない。
ただ、いい気分でないことだけは、明らかだった。
確かに、サクラは俺の彼女ではない。
俺はサクラを好きなわけでもない。
そんな風に考えたことは、きっと一度もなかったはずだ。
まして、サクラの方だって、俺に向かってその類の感情を抱いているなんて、思ったこともない。
それならば……
一体なんだっていうんだ。
この、やり切れない気分は。
俺はいつの間に、どんな思い込みを抱いていたのだろう。
俺は、何を期待していたっていうんだ――