夢見月夜に華ト僕<連載中>
「アイツは、私の体を求めても、絶対に心は求めてこない。だから、楽。私もそんなの要らないし……求められても困るから」
躊躇いがちに瞳を泳がせながら、一呼吸置いた後、
俺が、必死で言葉を探している間に、またサクラは言葉を続けた。
「でも、カイは違うでしょ?私の中に、心に触れようとする。そうしたいと思ってる」
「それは……」
「私はコワイの。誰にも踏み込まれたくないと思ってる。だから――」
今にも、消え入ってしまいそうな言葉。
サクラは、だんだんと言葉の切れ端を弱らせていった。
サクラは、言いにくい言葉を、なんとか確信を濁らせて、俺に伝えようとしていたけれど、
それでも、最後だけは、キッパリと言い切ってみせた。
「カイとは、これ以上近くにはいられない」
その言葉は、俺の心に、鋭いナイフとなって、深く芯まで滑りこむ。
「サクラ……」
わかっていた。
……そんな、簡単なこと。
サクラが、そういうヤツだってことくらい……
ちゃんと知っていたはずなのに――