Cry!Cry!Cry!


「ふぅ~。満喫したところで帰りますか。」



どこをどう満喫したのか分からないけど


満足した男の人が立ち上がった。



「って、あーーーーっっ!!!!手帳失くしたっ!!!!」



ポケットに入れていたらしい手帳が無くなったらしい。




「もしかして、さっき犬と格闘した時に・・・」



「あっ、又三郎と格闘したんだ。あいつ強いでしょ?」




「又三郎!!!??」



男の人は口を押さえて笑いを堪えている。




まぁ、校長のネーミングセンスがズレてるのは分かるよ。

(教頭は毎回カツラがズレてるし。)





「あっ!!やっぱり広兄だぁ!!」



いきなりヒカルくんがルームに入って来た。



「ひかるぅっ!!久しぶり!!」



あたしが叫ぶ暇を与えずに久々の再開を味わっている二人。




「さっき中庭に居るときに窓から広兄が見えたんです。


 見間違えかと思っていたら、又三郎が広兄の手帳を持っていて・・・」



ヒカルくんは男の人に手帳を差し出した。



「なんでオレのだって分かったの?」



「手帳の中にこの写真が挟まっていて・・・」




ヒカルくんは手帳から一枚の写真を取り出して見せた。


< 119 / 267 >

この作品をシェア

pagetop