Cry!Cry!Cry!
「ふぅ~。満喫したところで帰りますか。」
どこをどう満喫したのか分からないけど
満足した男の人が立ち上がった。
「って、あーーーーっっ!!!!手帳失くしたっ!!!!」
ポケットに入れていたらしい手帳が無くなったらしい。
「もしかして、さっき犬と格闘した時に・・・」
「あっ、又三郎と格闘したんだ。あいつ強いでしょ?」
「又三郎!!!??」
男の人は口を押さえて笑いを堪えている。
まぁ、校長のネーミングセンスがズレてるのは分かるよ。
(教頭は毎回カツラがズレてるし。)
「あっ!!やっぱり広兄だぁ!!」
いきなりヒカルくんがルームに入って来た。
「ひかるぅっ!!久しぶり!!」
あたしが叫ぶ暇を与えずに久々の再開を味わっている二人。
「さっき中庭に居るときに窓から広兄が見えたんです。
見間違えかと思っていたら、又三郎が広兄の手帳を持っていて・・・」
ヒカルくんは男の人に手帳を差し出した。
「なんでオレのだって分かったの?」
「手帳の中にこの写真が挟まっていて・・・」
ヒカルくんは手帳から一枚の写真を取り出して見せた。