Cry!Cry!Cry!


~Thihiro~

「グル?」

目の前には明らかに何か企む女子。


「あっ、グルっていうか部屋班ね♪校外学習の。」


もぅ一人の女子が慌てて付け足した。



名前なんだっけ…。


クラスメートなんてどうでもいいから覚えてない。



「いーじゃん。組もうよ、どーせ組む人いないんだし。」



美々が明るい声で言った。

(完全に猫かぶりモード)



「じゃあ、係はこっちのほうでテキトーに決めておくね!」


そう言って、二人は席へ戻っていった。



「校外学習?何それ。」

「チヒロ、頼むから担任の話くらいまともに聞こうよ。」


美々は苦笑いをする。


「なんか近くの歴史史料館を見に行くんだって。

 お泊まりで。」


「へー、つまんなそう。」

「うん、興味ないし。まぁ、それで班決めしなきゃいけないの。」

「へぇー。」

「っで、さっきの子達の事なんだけど。」


急に美々は声をひそめた。


「一人の子、あの髪が長い子ね、椎名晴香(シイナハルカ)と言って、

 成績優秀、吹部に所属。」


「なんでそんな小声で言うの?」


「しっ!ちょっと黙ってて。

 んで、もう一人のの子は鈴浦夕実、

 成績は上位、野球のマネージャー。」



そして、美々はわざとらしくあたしを見てニヤリと笑った。


「南葉っちの事が好きという情報。」

「へぇー、良かったね。」


あんな普通で地味な女子がね。


南葉くんを好きになる人は目立つ人が多いのかと思った。

(例:松山)


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