Cry!Cry!Cry!




「気持ち悪いなら吐けば?誰も見てないよぉ?」


フフフと笑い声が聴こえる。




嫌だ…この人の前では・・・





「いきなりなんなのよ!!!!バカァッ!!」



美々が大きな声で怒鳴った。



「いきなり出てきて人殺しとか…あんたダレ!!??」



美々の声は震えていた。



そして、体もあたしと同じように震えていた。




「ごめんねぇ、私、この子の叔母なんだぁ。


 せっかくの旅行なのに邪魔してごめんねぇ。」



そう変に明るい声で、あの人はあたしたちの目の前から消えた。





気が落ち着いても吐き気はおさまらなかった。



「あの人ダレなの?」


美々が近寄って背中をさすった。


「母方の叔母。」



あの事件が起きたあと


警察が取り調べで家に帰れなかったので


少しの間、叔母の家で暮らしていた。




でも、辛かった。




≪あたしさ…よく思うのよ。


 やっぱりあんたが姉さんを殺したんじゃないかって。



 警察はあんたのこと無実って言うけどさぁ。



 なんかあんた見てるとムカつくんだよ。≫





毎日毎日、叔母の暴言を聞いていた。



聞きたくもなかった。




でも、あたしは無実を証明したくて


…認めてほしくて…




黙って叔母の話を聞いていた。



ずっとずっと叔母の前では平気な顔して笑っていた。



でもね、

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