Cry!Cry!Cry!




「これからどこ行くの?」


南葉くんが聞いた。



「まぁ、そこらへんをぶらり観光巡りって感じで。

 歴史資料館行くのもかったるいし、つまんないし。」


あたしの代わりに美々が答えた。



「こんな事していいのか?俺、知らねぇぞ。」


山崎はポリポリと頭をかく。


「イヤだったら、来なきゃよかったじゃん。」


椎名さんは鋭くツッコミをする。




あたしたちは静かな商店街にいた。


静かと言っても風情がある和風な光景。




「そちらのお嬢さん、少し寄っていってはいかが?」


振り向くと鈴浦さんが黒ずくめの陰険なおばさんに誘われていた。



「えっ、あたし?」


「そう、あなた。


あなた…これから悪い事が起きるわ…。

 私にはそう見える。」



いきなりながら、失礼な事を言うおばさんだ。





戸惑う鈴浦さんの腕を椎名さんが強く引っ張った。


「行こう。ゆーみん。」


「そうそう、関わっちゃダメだよ。」


そう早歩きする女子3人。


男子二人とあたしはその3人に歩調を合わせた。




「そこの髪の長いお嬢さんと

背の高いお兄さんも気をつけるのよぉ~!!」



えっ、あたし!?


ビックリして南葉くんと目があった。



「気にすんなよ、ただのキャッチセールスだろっ。」


山崎がたまには良い事言った。


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