Cry!Cry!Cry!
「でも、許す。」
そして、腕を離し、あたしにとびっきりの笑顔を見せた。
「今、会話してるのが嬉しいから♪」
ああ…今、心の中が熱くなる。
好き。
それ以上の感情があたしたちを優しく包み込む。
≪愛してる≫
ちょうど、こんな場面の少女マンガでよく見かける言葉。
それは今の感情に値するだろう…。
愛してる。
あたしが言うと嘘くさいなぁ。
じゃあ、なんて言うのだろう。
ヒカルくんはすっと顔を近づける。
あたしも吸い込まれそうになったけど
すぐにヒカルくんの腹部に隠れた。
「あれ・・・?」
「けじめ…。キスはあたしが帰ってきてからにしよう?」
"そっか"とヒカルくんは恥ずかしそうに、はにかんだ。
本当はまだ勇気も覚悟もないから。
ちゃんと気持ちを整理してから、事が済んでからにしたい。
こんな臆病で自分勝手な自分を許してほしい。
「待ってるね。」
ヒカルくんはいつもの口調で言う。
本当は甘えたかった。
どこにも行きたくない。
でも、いつまでも甘えられる年ではない。