Cry!Cry!Cry!


ヒカルくんの腹部は温かい。


ほっそりしてるかと思っていたけど


筋肉でがっしりしている。



ちゃんとあたしを包み込んでくれている。



やっぱり男なんだなぁ…。





「じゃあ、帰ろっか。」


「えっ!?ヒカルくん、部活は?」


「ぶっちょ先輩が"彼女を送りに行って来い"って。」


「ふへぇー!デカサン掛けてるわりには気が聞くじゃん!!(意味不明)」




手を握り、二人並んで歩きだした。


ヒカルくんの手は大きくてマメが出来ているみたいでゴツゴツしていた。



手と手が繋がっているだけであたしは鼓動が速くなる。



たぶん、人から見たらニヤけているだろう。




恥ずかしくて二人で下を向いてしまう。





おぼつかない雰囲気。




どこか新鮮で



どこか可愛らしくて



どこか楽しかった。





たぶん、どんな少女マンガを読んでも味わえないものを


今、あたしは肌で体感してるからだ。










この感情をどう伝えようか?








"君のことが愛おしくてたまらない。"









まだ・・・



17年しか生きてないあたしにはふさわしい言葉なんて見つけられないや。






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