Cry!Cry!Cry!
「だったら、思う存分、
愛し尽くして嫌われなよ。」
彼女は意味を理解出来ずにポカンと口を開けた。
「まぁ、悠ちゃん(ていう人)になんでフラレたか分かんないけど、
フッたのは事実。
もう恋人として付き合えないってこと。」
彼女は深くうなずく。
タオルを握りしめる手は震えている。
「でも、あんたは好きならば、
おっかけだろうが防衛隊だろうが
ストーカーだろうが付きまとえばいいじゃん。
それで嫌われれば気が済むでしょ?」
いや…自分で言っときながら、ストーカーはまずいな…。
うまく言葉が整理できず、
ちょっとやけになっている自分が居る。
「人って意外にどん底に突き落とされても死なないもんだから。」
あたしのように。
どん底に突き落とされて、
もがき苦しみながらここに立っている事を得た。
「どん底に突き落とされた人間は強いよぉ~?」
あたしは彼女に笑いかけた。
やっとここ最近、心から笑える。
今まで笑えなかった自分が馬鹿馬鹿しく思えるほどだ。
彼女もつられて、腫れた目で笑う。
「・・・・・。
それじゃあ、あたし教室に戻ろうかな?」
ひょいっと軽やかに立ち上がり、あたしはベンチから離れる。
「私…頑張って…みます…。」
そして、クスッと笑って
「ストーカーは無理ですけどっ。」
とあたしの失言を言われちゃった。
「それじゃあ、近いうちに文化祭やるから遊びに来てね。」
「絶対行きます!」
最後に元気で明るい彼女の声が聞けて良かった。