Cry!Cry!Cry!
3cries【結】
最初から。
~Yumi~
「ぐはぁ…時差ボケしてアッタマ痛い~。」
って言ってる場合じゃなかった。
「南葉輝さんの病室はどちらですか?」
日本に帰ってきて、
親にお土産を渡し、
すぐに家を飛び出し、
ヒカルくんが入院している病院へと向かった。
受付の看護士さんに病室のナンバーを聞き、
スタスタとそこまで歩いて行った。
正直、ヒカルくんが入院している
病室があるなんて信じたくなかった。
ヒカルくんが怪我をしたなんて信じたくなかったから。
ヒカルくんが居るという病室のドアの前で
一呼吸置いてドアノブに手を置いた。
「じゃあ、南葉くん、この人は?」
ドアの向こうから女子の声がした。
えっ・・・うそでしょ・・・。
聞き覚えのある声。
(日本から離れていたから懐かしくも感じる。)
病室を間違えたかな?っと思った時、
「田中さん!」と
南葉くんのハキハキした声がドアの向こうから聞こえた。
あたしはそっとドアを開け、
小さい隙間から中をのぞいた。
「正解…。じゃあ、この人は?」
「えーっと・・・。」
そこには頭に包帯を巻いているヒカルくんと
椅子に座って正方形の形をした本を開いて
見せている浅見千尋が居た。
なんで・・・浅見千尋が居るの?・・・。