Cry!Cry!Cry!
「分かんない…。」
ヒカルくんは本を見て首を傾げる。
あれは…高校の入学式に撮ったアルバムだ。
「この人は…
鈴浦夕実。」
あたしの名前・・・。
浅見千尋は穏やかな口調で言った。
「南葉くんの彼女だよ。」
へ・・・?
ヒカルくんはまた首を傾げる。
どういうこと?
今更・・・何を言ってるの・・・?
「…鈴浦さん。」
浅見千尋はあたしを見て目を見開いた。
あたしは病室のドアを大きく開いていた。
「ヒカルくん・・・
あたしのこと忘れちゃったの・・・?」
ヒカルくんはあたしをじっと見た。
「すずうら・・・ゆーみさん・・・?」
まるであたしを初めて見るように。