Cry!Cry!Cry!
お猿の学校。
~Thihiro~
「おはよっ!!チヒロ♪」
登校の朝、靴置き場で美々に会った。
あたしは無視して下駄箱を開けると、
美々は不満そうに黙る。
「さいあく・・・。」
その言葉に美々は顔を上げた。
「どうしたの??」
「あんたには関係ないでしょ。」
あたしがすぐに下駄箱に戻したびしょ濡れの上履きを見て、
美々がパァァァっと輝かしい笑顔を見せた。
「ミミがスリッパ持ってきてあげる!!!」
「いらない」
あたしはずかずかと土足で教室に向かった。
それを、美々は隣でそそくさついてくる。
全部、バレンタインが終わってからだ。
この嫌がらせが本格的になってきたのも。
このうっとしいチビ(菅原美々)が
あたしの周りで付きまとうようになったのも。
「ミミ…嫌がらせしてる本人知ってるんだよね。。。」
隣でいきなりシリアスに語る美々。
あたしが教室のドアノブをつかもうとすると、
手で叩かれた。
「なに?」
邪魔されるのは腹が立つ。
「いや…ミミが思うに松山が犯人じゃないかと…」
「根拠がないこと言わないで。目ざわりなの。」
あたしは美々を無視して、ドアを開けると
目の前から生卵が飛んできた。