Cry!Cry!Cry!

雨降って地固まらず




~Thihiro~



外はあいにくの大雨。



ホッとした。



行くつもりなんかなかったから。



あたしは居間に行くと祖母が外を見ていた。


いっつも同じ場所に居て飽きないのだろうか。



「またしょうもないこと考えていたのかい?」


祖母はそのしゃがれた声で唸るように言った。




「お前らみたいな若者に人生を見切ったように思われたくないね。」



あたしに対する挨拶はいつもこれだった。



"たった18(才)や19(才)で"とか"何も経験してないくせに"とか。



聴いてて飽き飽きする。



だから、家にいるのは嫌だ。






すると、メールがきた。



美々から…。。



『雨天決行!来なかったら処刑!』



・・・・・。



美々だったら処刑どころで済まなそう。


また美々からメールがきた。


『南葉っちを見捨てんなよ!』


見捨てる??


なんの話…?




でも、この息苦しい場所に居るよりマシだから。


あたしは遊園地へ向かった。





< 66 / 267 >

この作品をシェア

pagetop