Cry!Cry!Cry!
雨の中の遊園地に着くと
待ったいたかのように美々からのメールの着信が鳴った。
『ごめん!今、TVでアン○ンマンスペシャルが始まったから
行けなくなったぁ~(笑)
南葉っちによろしくぅ~!』
言いだした奴が行かないなんて…。
しかも、なんでアンパ・・・
あたしは帰ろうと後ろを振り向くと
すぐそこに南葉くんがいた。
「ごめんっ!待ったよね!?」
紺色の傘を持った南葉君がこちらへ走ってきた。
「雨だから山崎来れないって。
浅見さんたちにどうするか連絡しようと思ったんだけど
二人の連絡先知らなくて・・・。」
それで雨なのに来たのか。。。
なんかそれって・・・
美々の戦略にはめられたような気がする…。(いや、確信犯)
「どうせだから、そこの喫茶店寄ろう?
このまま帰るの少し悲しいからさ。」
あたしはうなずいた。
祖母のところになんて帰りたくないから。
喫茶店は静かだった。
客があたしたちだけっていうのもあるし。
「ブレンドコーヒーください。浅見さんは何たのむ?」
「同じもので。」
たったそれだけ。
頼んだコーヒーが来ても何も話さなかった。
でも、コーヒーを口に運んだ時に南葉くんが言った。
「正直、浅見さんが時々怖いときがあるんだ。」