Cry!Cry!Cry!







雨の中の遊園地に着くと


待ったいたかのように美々からのメールの着信が鳴った。



『ごめん!今、TVでアン○ンマンスペシャルが始まったから

 行けなくなったぁ~(笑)


 南葉っちによろしくぅ~!』



言いだした奴が行かないなんて…。


しかも、なんでアンパ・・・



あたしは帰ろうと後ろを振り向くと



すぐそこに南葉くんがいた。





「ごめんっ!待ったよね!?」



紺色の傘を持った南葉君がこちらへ走ってきた。



「雨だから山崎来れないって。

 浅見さんたちにどうするか連絡しようと思ったんだけど

 
 二人の連絡先知らなくて・・・。」



それで雨なのに来たのか。。。


なんかそれって・・・



美々の戦略にはめられたような気がする…。(いや、確信犯)



「どうせだから、そこの喫茶店寄ろう?


 このまま帰るの少し悲しいからさ。」



あたしはうなずいた。


祖母のところになんて帰りたくないから。







喫茶店は静かだった。


客があたしたちだけっていうのもあるし。



「ブレンドコーヒーください。浅見さんは何たのむ?」



「同じもので。」




たったそれだけ。



頼んだコーヒーが来ても何も話さなかった。





でも、コーヒーを口に運んだ時に南葉くんが言った。




「正直、浅見さんが時々怖いときがあるんだ。」



< 67 / 267 >

この作品をシェア

pagetop