Cry!Cry!Cry!
「いやいや、俺ヘーキだし。」
と、勢いよく立ち上がるけどそれが腕に響いたらしく痛がる桃太郎。(ぶっちょ先輩)
「先輩っ!!無理しちゃダメですよ!!」
懐中電灯を放り投げてぶっちょ先輩を支える・・・・
えーっと・・・浦島太郎。(ヒカルくん)
そして、ヒカルくんが放り投げた懐中電灯を拾う龍宮城のお姫様。(あたし)
え?あたしはカメだって?失敬な。あたしゃウサギのほうが好きだよ。
って、なぜか日本昔話に飛んじゃっているじゃないですか。
もぅそろそろで「人間っていいな」って
でんぐり返してさよならの挨拶するところでしたよ。
というか、その前に桃太郎の犬と猿は犬猿の仲じゃないや。
あ~もぉ~、話がズレまくってて。。。
(おまけに我が校の教頭のカツラもズレまくってて)
「あ~もぉ!!!やってらんねぇっ!!!!俺、帰る!!!」
そう言ってユキヤくんを突き飛ばして健太先輩が帰って行った。
「はぁ…俺たちも行くぞぉ。心配かけて悪かったな。」
あとを追いかけて行くようにぶっちょ先輩はのそのそ歩きだした。
柊先輩ははぁっとため息をついてぶっちょ先輩の横を歩き
ユキヤくんはチッと舌打ちをして砂を払ってついて行った。
気づいたら虫や鳥も眠っていて
こんな時に山は静かで寂しげであった。
ヒカルくんはぶっちょ先輩のデカサンを見つけ
あたしに気まずそうに「行こぉ?」と言った。
「うん。」
日本昔話を語っている余裕はあたしたちにはなかった。