white memory
今度は私が、驚かされる番だった。

結婚を意識してなかった、と言えばウソになる。
2人でいるときの穏やかな時間がこの先もずっと続いてほしいと思っていた。



でもね、何かが違うの。

「………ごめん。」

「………………」

自分でも、この気持ちをどう表現したらいいのかわからない。

「ごめん。結婚はできない……」

あなたは、顎に手をおいたまま、私を見つめていた。
私はそんなあなたの目を見ることはできなかった。

やめて。
そんな目で私を見ないで。

あなたを困らせてる自分が嫌になる。



その時、気づいた。

私は、あなたを困らせてばかりだって。
だから、クセも覚えたんだって。
< 12 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop