white memory
部屋を出るとき振り返ると、あなたの手はまだ顎にあった。

「ありがと……」

もう1度小さくつぶやいて、ドアを閉めた。
想像してたより、ずっと冷たい音が響いた。


外に出ると、雪が降っていた。

街が白く染まっていく。
家も、道も、木も
みんな白に染まっていく。

でも、私の心は暗いままだった。
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