white memory
仕事を終えて帰宅すると、突然ケータイが鳴った。

誰だろう、クリスマスなのに…

映し出された番号は
忘れもしない
あなたのもの


「もしもし……」

『あっ、俺だけど。
………わかる?』

あの頃と変わらない、声も話し方も…

「うん、わかるよ。」

『よかった。
今年もホワイト・クリスマスだね。
……雪見てたら、急に声聞きたくなって。ごめん、予定あるよね。』

きっと、顎さわってるんだろうなって思うと、涙がこぼれた。
今なら素直になれる気がした。

「予定なんか、ないよ。
ずっと、1人。」

そう、この1年ずっと1人だった。心のどこかであなたの影をずっと追いかけていた。

『俺もさ、ずっと1人だった。やっぱり、君じゃないとダメみたいだ。』

明るく言ってくれるけど、次々涙が流れてくる。
きっと去年の涙も今一緒に流れてるんだね。


『もう1度、やり直そう。』

「うん。」
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