white memory
ほとんどの料理が出来上がり、テーブルに並んだとき、ケータイが鳴った。

『あっ、俺だよ。
今、仕事終わったんだけど、迎えに行こうか?』

「ううん、大丈夫だよ。私、今、家にいないんだ。だから、直接、そっちに行くよ。」

『そうなんだ。じゃあ、どっちが早いか競争だね。』

「…ふふっ。」

『どうかした?』

「ううん、何でもないよ。」

まさか、もう着いてるよ、なんて言えないじゃない。私の作戦、台無しになっちゃう。
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