小悪魔は愛を食べる
「あ。そういえば芽衣、イチから聞いたけどあの早稲田の男と別れたんだって?」
姫華の問いに芽衣は雑誌からちろりと視線を上げて「うん、まぁね」と頷いた。
「だってさ、あの人イチのことしつこく聞いてくるし。幼馴染だって言ってるのに信用しないし。なんか用事もないのに毎日メールしてくるし。いいかげん鬱陶しいんだもん」
「えー。でもそのブレスレットってその彼からのプレゼントでしょ?返したりしないの?」
芽衣の白く華奢な細腕によく似合っているピンクゴールドのキラキラとしたブレスレットを指して七恵が首を傾げた。
つられて壱弥も姫華も芽衣の腕のブレスレットに注目する。しかし芽衣は別段何か思った風でもなく、雑誌のページを捲って緩く笑う。
「うーん。あの人、わたしのことすごい好きみたいだからもらったままでいいんじゃない?ていうか返せとか言ってくるようなショボい男とは最初から付き合わないから」
言い切った芽衣に壱弥が「やーな女」と笑い、七恵は「さすが芽衣さま」と感心し、姫華がどうでもいいというように大きく伸びをした。
「あーあ。どうしてこんな悪い奴がもてるんだろうねぇ。世の中不公平だわ」
「顔、カオ。だってわたしちょーかわいいもん」
「自分で言うなっつの」
悪びれずに言い放つ芽衣に壱弥が突っ込み、しかし七恵がうんうんと頷いた。
それうけ、壱弥はそっと芽衣の顔を窺い見る。
マスカラでコーティングされた長い睫がふっくらとした透き通るように白い頬に影を落として、どこか憂いを含んで視界に艶やかだ。
高くも低くも無い鼻梁はしかし整った形で、唇は僅かに湿り気を帯び色付いて甘そうな果実か何かを思わせ、それが誘うように薄く開いていた。
ぐりぐりと大きく猫のようなきれいなアーモンド形の瞳は黒目すらやたらでかくて、気を抜いたら魂ごともっていかれそうな気分にさせられるほどに深い。
幼馴染の壱弥ですら、見慣れるには整いすぎた目の前の美少女に時々見惚れてしまうのだ。これで落ちない男なんて存在するはずがない。
それくらい、華原芽衣という少女は並外れて可愛い容姿をしていた。
そんな壱弥の思考を代弁するかのように、七恵が芽衣の可愛さを引き続き肯定する。
姫華の問いに芽衣は雑誌からちろりと視線を上げて「うん、まぁね」と頷いた。
「だってさ、あの人イチのことしつこく聞いてくるし。幼馴染だって言ってるのに信用しないし。なんか用事もないのに毎日メールしてくるし。いいかげん鬱陶しいんだもん」
「えー。でもそのブレスレットってその彼からのプレゼントでしょ?返したりしないの?」
芽衣の白く華奢な細腕によく似合っているピンクゴールドのキラキラとしたブレスレットを指して七恵が首を傾げた。
つられて壱弥も姫華も芽衣の腕のブレスレットに注目する。しかし芽衣は別段何か思った風でもなく、雑誌のページを捲って緩く笑う。
「うーん。あの人、わたしのことすごい好きみたいだからもらったままでいいんじゃない?ていうか返せとか言ってくるようなショボい男とは最初から付き合わないから」
言い切った芽衣に壱弥が「やーな女」と笑い、七恵は「さすが芽衣さま」と感心し、姫華がどうでもいいというように大きく伸びをした。
「あーあ。どうしてこんな悪い奴がもてるんだろうねぇ。世の中不公平だわ」
「顔、カオ。だってわたしちょーかわいいもん」
「自分で言うなっつの」
悪びれずに言い放つ芽衣に壱弥が突っ込み、しかし七恵がうんうんと頷いた。
それうけ、壱弥はそっと芽衣の顔を窺い見る。
マスカラでコーティングされた長い睫がふっくらとした透き通るように白い頬に影を落として、どこか憂いを含んで視界に艶やかだ。
高くも低くも無い鼻梁はしかし整った形で、唇は僅かに湿り気を帯び色付いて甘そうな果実か何かを思わせ、それが誘うように薄く開いていた。
ぐりぐりと大きく猫のようなきれいなアーモンド形の瞳は黒目すらやたらでかくて、気を抜いたら魂ごともっていかれそうな気分にさせられるほどに深い。
幼馴染の壱弥ですら、見慣れるには整いすぎた目の前の美少女に時々見惚れてしまうのだ。これで落ちない男なんて存在するはずがない。
それくらい、華原芽衣という少女は並外れて可愛い容姿をしていた。
そんな壱弥の思考を代弁するかのように、七恵が芽衣の可愛さを引き続き肯定する。