LAST LOVE

想い





 「愛ちゃん…ちょっといいかな?」      


「…」       


「愛ちゃん!」      


「あっはい!
何ですか?杉崎先輩。
少しボーっとしてて・・・話・・・聞いてなくて」


申し訳なさそうに愛は言った。          

杉崎はサッカー部の部長で誰にでも優しい。

智也の憧れの先輩でもある。


「大丈夫?
ちょっと二人っきりで話たいことがあるんだけどいいかな?」

いつもより、真剣な顔で杉崎は言った。         

「あっはい。」


着いた場所はサッカー部の部室の前だった。    


「俺ずっと愛ちゃんのこと気になってたんだ…俺と付き合ってほしいんだ。」


その時・・・気がついた。  


杉崎の後ろに智也が立っていたことに。      


「じゃいい返事待ってるから。」

杉崎はグラウンドへ戻って行った。     


神谷は部室のドアに手をかけていた。       


「神谷!あのっ私…」 


「良かったじゃん。
俺は応援するよ?先輩いい人だし、キャプテンだし、責任感あるし
まっお前にはもったいねぇけどな!」


笑顔で神谷は言った。          



『神谷は…平気なんだ…
私が先輩と付き合おうが私が誰を好きになろうが…
神谷は…笑っていられるんだね…
でもそんな言葉…聞きたくなかったよ。』    



「うん。そうだね。」   



愛は泣きながらグラウンドへ走って行った。







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