LAST LOVE
すれ違う心
「今日は部活休みだし一緒帰ろうぜ!」
少し嬉しそうに智也は言った。
「いいけどちょっと話したいことあんだけどいい?」
恥ずかしそうに智也に聞いた。
「いいけど歩きながらでもいいだろ?」
「うん」
愛はさっきと同じ反応で答えた。
「で何?」
少し静まりかえっていた時に智也は聞いた。
「あのね私達付き合って三ヶ月じゃん?
だから名前で呼び合いたいなって思って…だめかな?」
少し下を向きながら愛は言った。
「だな」
智也はなんの迷いもなく言った。
「後は?まだあんだろ言いたいこと」
愛の心を読み取ったかのように智也は言った。
「うんその…すごく言いづらいんだけど私…パパと暮らそうと思うの」
愛は智也の目を見ながら言った。
「愛の両親離婚してからお袋さんすぐ死んじまったもんな…そうしろよ!
親父さん喜ぶと思うぜ!
気持ちさえ変わらなければ離れてても大丈夫だし!」
本当はそんなことみじんも思っていなかった。
本当は“行くなよ。愛は側にいろよ”そう言いたかった。
けど愛の真っ直ぐな目見たら…言ぇねぇよ
「そうだよね。
東京と鳥取って遠いけど会おうと思えば会えるもんね!」
愛は無理に笑顔を作って言った。
「でいつ行くんだよ」
智也も無理に明るく言った。
「来月…」
一瞬にして愛から笑顔が消えた。
「あっちでも・・・頑張れよ」
「うん」
二人は一言も口を開かないまま帰った。