【短集】虹
【絆創膏】
やべー、痛ぇー。
ウザイ奴に、
足を引っかけられた。
わざとやってきた奴だが審判が見ていなかったために、奴は反則にならなかった。
マジうぜぇ。
サッカーは正々堂々戦うもんだって、監督はいつも言う。
それなのに監督に認められてるアイツ。
腹立つ。
「恭ちゃん!!」
試合から抜け、足の擦り傷を冷やしている俺へ駆け寄ってきたのは、サッカー部のマネージャー。
「痛い!?」
コイツはドジだから、あんまマネージャーに向いてないと思う。
だけどいつも一生懸命働いてるから、ほんと良い奴。
でもコイツは、俺の嫌いな…足を引っかけてきた奴が好きだって噂。
何でアイツは
認められてる?
「大丈夫だよ。
ただの擦り傷だし」
「でも血凄いよ!?」
イライラする。