真冬の花②
「はぁ………」
冬真くんの大きなため息。
あたしはもう何も考えられなくて
とうとう涙が零れ落ちた。
「あー!本当に最低」
ビクッ
突然の大きな声に肩が震える。
……最低。
言葉が心に突き刺さる。
…なによ。
あたしだって、お見合いなんかしたくないよ。
どうしてそんなふうに言うの?
事実、あたしも叔母さんにはっきり断われてなかったくせに。
冬真くんを不安にさせたのはあたしなのに…
自分の事はすっかり棚に上げて
「冬真くんの…ば…」
か……って言おうとした瞬間、
「きゃ…」
ものすごい勢いで
引き寄せられた。