妹の恋人は姉の彼氏の従弟
「だから!」

蓉子が昨日の話をしてくれた
私は気を失っていたから
海堂彰吾が
どうやって私を抱いて帰ってくる経緯に
なったのかを知らない

蓉子が言うには
部活の最中に
私ががたがたと震えながら
ベンチから落ちたらしい

病院に送っていくという加藤先生に
家で寝かせたほうが良いと
海堂彰吾が言い張ったらしい

結局
加藤先生が折れて
海堂彰吾が私を抱いて帰った

…んで
その場を見ていたマネージャ希望の女子たちが
私が海堂の女だと騒いだらしい

今日、登校してきた海堂彰吾自体も
とくに否定の言葉を述べなかったという
話しも蓉子が耳にしたと
教えてくれた

「で?
紫音はどうなのよ」

「ん~
聞かれてもわからないんだよね
そういう感情が…
理解できない」

「うわっ
確かに男の前に
『ぶわっくしょん』だもんね」

「だもんね」

私は蓉子につられて
頷いた

廉人さんみたいな
大人の男性がいい

たぶん
廉人さんがいいんだろうけど

廉人さんは姉さんの彼氏だから
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