妹の恋人は姉の彼氏の従弟
「海堂の好きな人ってさ」

「うん?」

海堂が
湯船に入ってきた

「ちょ……
こらっ
湯がなくなるじゃん」

私が湯船に入ってくる海堂を
追い出そうと
指であっちにいけと
命令した

海堂は
私の後ろに体を入れると
私を抱きしめながら
座った


「体、洗った?」

「ううん
紫音が洗う番だ」

「私は海堂が
出てから洗う」

「どうして?」

海堂の低くて優しい声が
私の耳にふきかかる

くすぐったくて
むずむずした

「海堂がいるから」

「一緒に入ってる意味がない」

海堂の手が
お腹から上に動く

「どこ…さわってるの?」

「胸」

「なんで!」

「触りたいから」

海堂彰吾は
男だった……

廉人さんの従弟だ

私の体が
硬直した

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