妹の恋人は姉の彼氏の従弟
「んで、デートコースとやらは?」

「ファーストフード」

「食うの?」

「俺は食べない」

歩道を歩く
海堂が車道側を歩いている

私の肩に手をまわして
じっと前を見ていた

「なんで?」

「今、体をつくってる
カロリーを計算して食べているから
無駄な食事はしたくない」

「そこまでしてんの?」

「期待は裏切りたくない」

海堂の横顔を見た

生真面目すぎる

ぼーっと生きてそうだけど
しっかり考えてるんだ

「期待ねえ…つらくない?
そういうのって」

「俺にできるなら俺はやる
それだけだ」

「努力家?」

「どうかな」

「もしかして頭もいい?」

「頭の良いという定義は?」

「成績優秀」

「優秀ではない
テストでは学年10位以内に
入っていた」

「そういうのを優秀って
言うんだ」

「じゃあ、優秀」

「……なんか、むかつく」



私は中の下だ
成績は悪い!

大学受験……どうなることやらって
感じなのに

隣を歩いている奴は
学年10位?

信じられない!

バスケット馬鹿は
成績も馬鹿じゃなきゃだめだ!

……って
言ったら怒られるかな?
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