妹の恋人は姉の彼氏の従弟
海堂は30分ほど
お姉ちゃんと話しをしてから
部屋から出てきた

私は宿題を終わらせて
すでにベッドで横になっていた

部屋に入ってきた海堂は
私を横眼で確認すると
乾いた髪をぼりぼりと掻き毟った

「どうして……」

海堂がためらいがちに口を閉じた

目を天井に向けて
深呼吸をすると
海堂の視線が私に戻ってきた

「どうして教えてくれなかったの?」

「は?」

布団の中にいた私は
起き上がった

「加藤先生と付き合ってるの?」

お姉ちゃんが話した?
さっき
お姉ちゃんに呼び出されたのは
キスしていたのを
怒られていたんじゃなくて

加藤先生に告白されていたって話しを
お姉ちゃんから聞いていたってこと?

「お姉ちゃんが話したの?」

「紫音が悩んでいるから
キスとかしないでって言うから
何を悩んでいるのか聞いた」

「何も悩んでない」

「で、付き合ってるの?」

海堂彰吾が真剣な顔で
質問してきた

「付き合ってない
告白されたけど
返事はしてない」

「どうして返事をしてないの?
付き合いたいって気があるから?」

海堂の顔が怖かった
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