乾いた瞳



……あのクレーンゲームの、くまさんのストラップ欲しかったんだけどなぁ金無いしなぁ。


いや、金あったとしても取れなくて財布が空になるのがオチかぁ。


などとぼんやり思っていると。



「うっし!」







陽日輝は、唐突に叫んだと思うと自分のスクールバッグをあたしに放り投げた。



「それ持ってろ!」

「はあ?なんであたしが──」



陽日輝は腕まくりをして、さらにチャリン、チャリンと金属的な音がした。



クレーンゲームが動き出す。


ウィーン。ウィーン。



…まさか。





ガコンッ。




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