ネコガールの恋
うやむやのうちに、会話はまた別の話題
に移っていき、ネコガールとナンはそれ
からまた1時間ほど飲んでいた。

そろそろ店を出ようかという頃、ナンは
ふと思いついたように、

「あ、そうだった、あんた、東(あずま)
 知ってるでしょ? 
 
 あんたが夏に会ったっていううちの弟」

と言い出した。

「東くん? 7月だったかな、あ、8月だ。
 覚えてるわよ、東くんがどうしたの?」

「あの子さあ、この前電話かけてきて、
 ネコガールさん元気か、なんて聞くのよ。

 あんたの番号、あの子知ってるんだから、
 自分でかけなさいよって言ったんだけど、
 用もないのにかけられないんだってさ」
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