ネコガールの恋
「ネコガール、クリスマスって何か予定
 入ってる?」

午後19時。ファッション雑誌「ゼー
ゼー」の今日の撮影が終わったあと、

原宿のスタジオからちょっと離れた有料
駐車場に置いてある愛車に向かっていた
ネコガールは、いつかのように大火に
呼び止められた。

「クリスマスの予定?」

「そうだよ、イブにどこか夜景のきれい
 なレストランで食べない?」

そのように提案する大火の好意あふれる
笑顔を見て、つい心が動きそうになった
ネコガールだが、

女の子というのは、追われれば追われる
ほど、逃げたくなるものらしい。

あまりまっすぐに攻めてこられても、
ネコであるネコガールとしては、面倒に
思ってしまうのだ。そこで、

「私、別にキリスト教徒じゃないから。
 クリスマスだからどうとかって、何か
 世の中に踊らされていると思うな」

とこれも断ってしまった。




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