青春ing
 草野球の助っ人も、あれから何となく遠ざかっていた。高須賀は必ずと言っていいほどいるし、あまり顔を合わせたくなかったからだ。

 だけど、いつまでもこのままでいい訳がないのは、あたしも分かっている。きっと向こうも、あたしと同じように不安を感じていると思う。あんなに、仲が良かったのに。友情っていうのは、何処でヒビが入ったり、疎遠になったりするか分からないんだな。そんなことを考えて、目の奥がとても熱くなった。



「山沖、最近付き合いわりーぞー。彼氏ができたからか?」

「あっ、いや、その……ごめん、勉強がさ……」

「お前、そんなに成績悪くなかったよな?高須賀と何かあったのか?」

「あいつさ、お前があの1年と付き合い出してから、何かすねてるっつーか……ほらあいつ、山沖のこと、マジで野球にスカウトしたがってたし。やっぱ寂しいんじゃねーの?」



 男友達は、そんなことを言う。高須賀の方も、もしかしたら、前みたいに話したいと思ってくれているかもしれない。でも、もしそうじゃなかったら……考えてみたら、とても怖かった。
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