青春ing
 オレには一流の大学に入って良い会社に就職し、順風満帆な生活を送るという夢がある。恋愛に全く興味がないと言えば嘘になるが、今のオレには邪魔なだけ。恋にうつつを抜かしている暇があったら、数式の一つでも解きたいくらいなのだ。



「なのに、告白してくる奴が後を絶たないんだよなぁ……」



 校内では、オレには年上の彼女が居るからそいつ以外に興味がないのだとか、逆に関係を持っている女が山程居るから女子高生(ガキ)に用はないんだという噂が流れているらしい。

 何て勝手な勘違いだろう。それで女が寄り付かなくなるならと否定しないでいたら、「体だけの関係で良いから……」と言ってくる奴まで現れる始末。オレの平和な学校生活は、一体何処にあるんだろうか。



「……はぁ。朝から気分害した……」



 女は面倒だ。さっきみたいに泣かれても困るだけだし、泣けば済むと思ってる奴なんて、男も女も願い下げだ。こんな風に考えるようになったのは、オレの母親がピーピー泣く奴だからかもしれない。

 とにかく鬱陶しい。女がまとわりついてくるから、この顔に生まれたことを多少恨んでいるのも事実だ。まぁ、変えられないものは仕方ないけど。
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