青春ing
*同性にばかり好かれるんですが、どうしましょう。
教室に入ると、何故か凄まじく不穏な空気が漂っている。え、何、どうしたのさ。隣に居る香子も、異様に暗い雰囲気に首を傾げている。
「あ、佐桜花さん!おはようございます!!」
「おはよー、のんちゃん。ね、このどんよりした空気は何?」
「そ、それが……実はさっき、比奈子と真奈瀬がトラブったらしくて……」
香子の「のんって佐桜花の信者だったんだ……初耳」という呟きを無視し、のんちゃんの話を聞く。いつもウチのクラスに来ては谷口に犬のように飛び付いている比奈子は、今日は隣のクラスの真奈瀬ちゃんを泣かせたらしい。どうせ彼の幼なじみだということで嫉妬して、くだらない喧嘩でも吹っかけたんだろう。
「……アホらし。谷口のファンクラブ会員だか何だか知らないけど、人を泣かせて何が楽しいんだか。あたしには理解できないな。」
溜め息をつくと、「佐桜花さんかっこいい!」というお誉めの言葉。あぁ、それはどうもありがとうございます。
騒ぎの根本的な原因である谷口の席を見ると、彼は何とも不機嫌そうに頬杖をついている。それを「かっこいい!」と喜んでいる女子達も、理解できない。
「あ、佐桜花さん!おはようございます!!」
「おはよー、のんちゃん。ね、このどんよりした空気は何?」
「そ、それが……実はさっき、比奈子と真奈瀬がトラブったらしくて……」
香子の「のんって佐桜花の信者だったんだ……初耳」という呟きを無視し、のんちゃんの話を聞く。いつもウチのクラスに来ては谷口に犬のように飛び付いている比奈子は、今日は隣のクラスの真奈瀬ちゃんを泣かせたらしい。どうせ彼の幼なじみだということで嫉妬して、くだらない喧嘩でも吹っかけたんだろう。
「……アホらし。谷口のファンクラブ会員だか何だか知らないけど、人を泣かせて何が楽しいんだか。あたしには理解できないな。」
溜め息をつくと、「佐桜花さんかっこいい!」というお誉めの言葉。あぁ、それはどうもありがとうございます。
騒ぎの根本的な原因である谷口の席を見ると、彼は何とも不機嫌そうに頬杖をついている。それを「かっこいい!」と喜んでいる女子達も、理解できない。