青春ing
香子が、「私あんたに毒されてきてるわ」と溜め息をついた時。あたしの背後で、驚きを含んだトーンの幼さを残したアルトの声がした。
「……佐桜花さん、『おお振り』好きなんですか?」
「え?あ、和屋君だ。もうご飯食べたの?早いね。」
「佐桜花、先に質問に答えてあげなよ。」
母親のように言う香子に「はいはい」と返して、和屋君に視線を戻す。「うん、好きだよ」と答えたら、黒い真ん丸の両目がキラリと光った。
「俺も!俺も好きなんです、『おお振り』!!」
「えぇっ!?こんな所に同志が居たなんて!」
思わず、手と手を取り合って喜ぶあたし達。和屋君はハッとした後で気まずそうに手を離したけど、同じ趣味を持つ人に出会えた嬉しさに変わりはない。「好きなキャラは?」の問い掛けに「阿部です!」と返ってきた時には、我を忘れて叫びかけた。
「……あ、あたしも阿部君なんだ。もう香子と代わって欲しいくらいなんだよねぇ。」
「そんなにデータオタクのキャッチャーが良いのか、あんたらは。」
「いやいや、冗談だから。香子以外とのバッテリーは、やっぱりちょっと違うんだよね。
ていうか、何で和屋君まで責めてんの。」
阿部君のような力強いリードは、そりゃあ理想だけど。香子との“相談し合う”みたいな関係が、やっぱり心地良いんだよね。そう言ったら、「当然。二次元のキャラに相方取られて堪るか!」の言葉と笑顔が返ってきた。
「……佐桜花さん、『おお振り』好きなんですか?」
「え?あ、和屋君だ。もうご飯食べたの?早いね。」
「佐桜花、先に質問に答えてあげなよ。」
母親のように言う香子に「はいはい」と返して、和屋君に視線を戻す。「うん、好きだよ」と答えたら、黒い真ん丸の両目がキラリと光った。
「俺も!俺も好きなんです、『おお振り』!!」
「えぇっ!?こんな所に同志が居たなんて!」
思わず、手と手を取り合って喜ぶあたし達。和屋君はハッとした後で気まずそうに手を離したけど、同じ趣味を持つ人に出会えた嬉しさに変わりはない。「好きなキャラは?」の問い掛けに「阿部です!」と返ってきた時には、我を忘れて叫びかけた。
「……あ、あたしも阿部君なんだ。もう香子と代わって欲しいくらいなんだよねぇ。」
「そんなにデータオタクのキャッチャーが良いのか、あんたらは。」
「いやいや、冗談だから。香子以外とのバッテリーは、やっぱりちょっと違うんだよね。
ていうか、何で和屋君まで責めてんの。」
阿部君のような力強いリードは、そりゃあ理想だけど。香子との“相談し合う”みたいな関係が、やっぱり心地良いんだよね。そう言ったら、「当然。二次元のキャラに相方取られて堪るか!」の言葉と笑顔が返ってきた。