青春ing
昼休み終了のチャイムが鳴り、ペコリと頭を下げて去っていく和屋君。その姿が完全に見えなくなってから、大きな溜め息をついた。
「……香子、どうしてくれんの?」
「え?だってあんた、そろそろ男欲しいでしょうが。」
「アレはタイプじゃない!あんた知ってるだろうが、あたしの好み!!」
「今時理想語ってても上手くいかないって。ていうか、あんな可愛い子の何処が不満なの?私にはサッパリだよ。健気だし料理上手いみたいだし……あーあ、直哉が居なかったら絶対付き合ってるんだけどなー。」
「……あんた、自分の彼氏に失礼だって。」
冗談だよ、と言って笑った香子。この子、他校に軽音部でベースやってる彼氏が居るんだよね……中学が同じだった奴なんだけど。頼もしくて、香子がソフトやってるのにも理解があって、何より背が高い。筋肉が付いてがっしりした体付きの香子も、直哉君の隣に立てば、凄く可愛らしい女の子になるんだよね。
「だって……あの子の隣に立ったら、絶対あたしが男役……」
「は?何言ってんの。女は服と化粧でいくらでも印象変えられんのよ!
……今度の休み、空けときなさいよ?買い物付き合ってあげるから。」
「良い!遠慮します!!」
「ふーん……まぁ、パーカーにジーンズみたいな、乙女度ゼロの格好で和屋君を幻滅させたいなら、別に良いけど。道行く人に『かっこいいお兄さんねぇ』とか言われたいんなら、別に良いけど。」
――負け、た。
「……香子、どうしてくれんの?」
「え?だってあんた、そろそろ男欲しいでしょうが。」
「アレはタイプじゃない!あんた知ってるだろうが、あたしの好み!!」
「今時理想語ってても上手くいかないって。ていうか、あんな可愛い子の何処が不満なの?私にはサッパリだよ。健気だし料理上手いみたいだし……あーあ、直哉が居なかったら絶対付き合ってるんだけどなー。」
「……あんた、自分の彼氏に失礼だって。」
冗談だよ、と言って笑った香子。この子、他校に軽音部でベースやってる彼氏が居るんだよね……中学が同じだった奴なんだけど。頼もしくて、香子がソフトやってるのにも理解があって、何より背が高い。筋肉が付いてがっしりした体付きの香子も、直哉君の隣に立てば、凄く可愛らしい女の子になるんだよね。
「だって……あの子の隣に立ったら、絶対あたしが男役……」
「は?何言ってんの。女は服と化粧でいくらでも印象変えられんのよ!
……今度の休み、空けときなさいよ?買い物付き合ってあげるから。」
「良い!遠慮します!!」
「ふーん……まぁ、パーカーにジーンズみたいな、乙女度ゼロの格好で和屋君を幻滅させたいなら、別に良いけど。道行く人に『かっこいいお兄さんねぇ』とか言われたいんなら、別に良いけど。」
――負け、た。