青春ing
――お母さんに彼氏ができたことを伝えると、何と予想していたらしく、「やっぱりね」と言われてしまった。ファッションに興味を持ったり、料理を習いたいと言い始めたり、あたしがかなり分かりやすかったらしい。お父さんは、「男勝りなお前にも、ついに男ができたか!」と、泣いて喜んでいた。一人で缶ビールを5本も空けるくらいには、舞い上がっていたらしい。
香子も、凄く嬉しそうに「おめでとう!」と言ってくれた。相談にも乗ってくれるという心強い相方は、「Wデートできたら良いね」と、早くもディズニーランドが良いだとか話していた。その前にあたし達は、引退試合に当たる、後輩チームとの校内対戦に向けて、コンディションを調えないといけないんだけどね。
竜泉君もあたしも、付き合いを隠すようなことはしなかった。だから、聞かれたら素直に「うん、付き合ってるよ」と答えたし、ファンにもきちんと伝えて、“良かったら、これからも応援して欲しい”とお願いしておいた。幸い、離れていく子は一人も居なくて、大学まで追いかけてきてくれる気満々らしかった。
「……山沖さん、ちょっと良いかしら。」
涼しげな声に呼び止められて振り返ると、真境名さんだった。彼女は何となく寂しそうにしながらも、「優しそうな人が相手で良かったわ。正直ちょっと意外だったけど、山沖さんが選んだ人だものね」と笑っていた。推薦合格はほぼ確定だと教えたら、大学生になっても応援に行くと喜んでくれた。
記念って言ったら変だけど、今更ながら連絡先も交換した。メールで“実は私、山沖さんに凄く惚れ込んでいて、本当に好きでした”と告白された時はびっくりしたけど、妙に納得した。
試合の応援には必ずって言って良い程来てくれてたし、いつも励ましてくれたんだよね。そのことには素直にお礼を言って、“気持ちに応えることはできないけど、仲の良い友達としてこれからもよろしく。良ければ近々遊びに行こう”と返信しておいた。
「それにしても、佐桜花先輩にもついに彼氏が……私達の憧れだったから、ちょっと残念だなぁ。」
「でも、あんな可愛い子じゃあねぇ。勝ち目ないよ。」
「佐桜花様が選んだんだったら、まぁ……」
部員達や熱狂的なファンも、そんな感じで納得してくれたらしい。良かった、本当に良かった。
香子も、凄く嬉しそうに「おめでとう!」と言ってくれた。相談にも乗ってくれるという心強い相方は、「Wデートできたら良いね」と、早くもディズニーランドが良いだとか話していた。その前にあたし達は、引退試合に当たる、後輩チームとの校内対戦に向けて、コンディションを調えないといけないんだけどね。
竜泉君もあたしも、付き合いを隠すようなことはしなかった。だから、聞かれたら素直に「うん、付き合ってるよ」と答えたし、ファンにもきちんと伝えて、“良かったら、これからも応援して欲しい”とお願いしておいた。幸い、離れていく子は一人も居なくて、大学まで追いかけてきてくれる気満々らしかった。
「……山沖さん、ちょっと良いかしら。」
涼しげな声に呼び止められて振り返ると、真境名さんだった。彼女は何となく寂しそうにしながらも、「優しそうな人が相手で良かったわ。正直ちょっと意外だったけど、山沖さんが選んだ人だものね」と笑っていた。推薦合格はほぼ確定だと教えたら、大学生になっても応援に行くと喜んでくれた。
記念って言ったら変だけど、今更ながら連絡先も交換した。メールで“実は私、山沖さんに凄く惚れ込んでいて、本当に好きでした”と告白された時はびっくりしたけど、妙に納得した。
試合の応援には必ずって言って良い程来てくれてたし、いつも励ましてくれたんだよね。そのことには素直にお礼を言って、“気持ちに応えることはできないけど、仲の良い友達としてこれからもよろしく。良ければ近々遊びに行こう”と返信しておいた。
「それにしても、佐桜花先輩にもついに彼氏が……私達の憧れだったから、ちょっと残念だなぁ。」
「でも、あんな可愛い子じゃあねぇ。勝ち目ないよ。」
「佐桜花様が選んだんだったら、まぁ……」
部員達や熱狂的なファンも、そんな感じで納得してくれたらしい。良かった、本当に良かった。