【実話】ありがとう…。
「そう…ですか。5日の日『飲み屋の女は切るって。お前の事はちゃんと考えてる。大事にするから』そう…言ってくれたのに…グスッ…ウッ…」



「弟だから庇う訳じゃないけど、5日の日たかが言った事、俺は嘘じゃないと思うよ!死ぬって分かってたから、言ったんだと思う。その指輪も持ってていいし、もう余計な事考えるのやめな。疑うなよ!最後にアイツ…本心言ったんだな…」



「はい…。明日、出棺の時に、手紙入れさせて貰っていいですか?」



「あぁ、いいよ。骨も拾ってやってくれ。終わって帰って来たら、服でも何でも欲しい物持ってけ!誰にもやらないから!!」


智兄と話して少し楽になれた気がした。


通夜の時間の少し前に、母も顔を出してくれた。


通夜も終わり、母が帰る時に、偶々、知り合いに(智兄の葬儀会社の上司)会ったらしく、一緒に帰って行った。


私は、一人ボーッと隅の方に座って居ると、

「望ちゃん…?」

声のする方を向くと、南さんが立っていた。


「大丈夫?」



「はい…」

と返事をし、微笑む。


「無理しちゃダメだよ。凄く疲れた顔してる…。ちゃんとご飯食べて、眠ってる?」


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