【実話】ありがとう…。
「食欲無くて…。食べなきゃダメだって分かってるんですけど、食べたら食べたで、吐いちゃうんですよ」

力なく笑い、遺影を眺めて、


「たかさんは幸せだね。こんなにも沢山の友達が来てくれて。たかさんが元気な時に、会って色々話したかったな…」



「そうだね」

そう話して居ると、

「望ちゃん?」

声のする方を向くと、懐かしい友達が立って居た。


彼女とは昔、あるバンドのライヴで知り合い、歳も近く、話も合い意気投合して、そのバンドを一緒に追っかけたりしていた。


彼女は高校を卒業と同時に、ライヴにも顔を出すことも無くなり、10年振り位の再会だった。


「ミミちゃん…どうしてここに?」



「たか兄ちゃんとは、遠い親戚なの。望ちゃんは?」


これ迄の経緯を話すと、

「そっかぁ。まさか、こんな所で会うとは思わなかったね」



「うん」



「望ちゃん…大丈夫?ちゃんとご飯食べないとダメだからね!たか兄ちゃん悲しむよ」



「うん」



「ママ~」

話をしていると、5歳位の女の子が、ミミちゃんに抱きつく。


「ごめんね…。ママ大事な話してるから、パパの所で、お利口にしててね」


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