【実話】ありがとう…。
「ご家族の方から順番に拾って下さい」


骨を見た瞬間…もうたかさんの体は無くなっちゃったんだ…。


そう思うと凄く寂しくて、何だか情けなくなった。


元々、ガッチリした体型の人だったのに、病気のせいで、肋の骨は殆んど無く、所々、骨が緑色に変色していた。


骨を拾っていると、強い視線を感じて、辺りを見回す。


一人の女性と視線がぶつかる。


ミホだった…。


一気に頭に血が上った。


たかさんが入院するって決った途端、連絡が途絶え、お見舞いにも一度も来なかった…。

なのに、今更現れるなんて!

許せなかった!!


本当は、殴ってやりたかった。


でも、ここで問題を起こす訳にはいかない…そう思い、何とか怒りを納めた。


骨を全部拾い集めると、骨壺に入りきらず、火葬場の人が素手でガンガンと骨を砕き、骨壺に収めていく。


お寺に戻り、告別式も全て終わった。


葬儀会社の人が祭壇を片付けている。


ボーッと眺めていると、

「最後だから、抱っこするかい?」

そう言って、たかさん(骨壺)を抱かせてくれた。




前にね、たかさんと話した事がある…。


「『たかさんが痩せて、私が太ったらどうしよう』


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