【実話】ありがとう…。
‡第九章 死にたい‡
12月13日。

今日は早番。

本当は、行きたくなかった。


婦長に文句言われるのは、分かりきった事だから。


気が重いまま、仕事へ向かう。


制服に着替え、病棟に向かった。


「おはようございます」

と詰所に居た看護師に挨拶をする。


「おはよう」



「あの、婦長は?」



「あぁ、病室回ってると思うよ」



「すいません」

頭を下げ、病室を探し婦長を見付けた。


病室に入り、頭を下げる。

「おはようございます。仕事、休んですいませんでした」



「分かったから、仕事して!!」



「はい」

病室を出て、詰所に戻り、仕事を始める。


2時間もすると、日勤者も来て、仕事を始める。


少しすると婦長に呼ばれた。

「高橋さん、ちょっと休憩室に来て!」



「はい…」

休憩室に行くと、物凄い形相の婦長。


「迷惑を掛けてすいませんでした」

頭を下げた途端に、キツい言葉が発せられた。


「もう長く、小樽総合病院に入院してて、死ぬの分かってたんでしょう?なのに、こんな事されたら困る!!」


仮にも看護師をし、婦長と言う役職に就いている人間が言う言葉とは思えなかった―‐…。

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