【実話】ありがとう…。
何も望んだりしないから、たかさんに会わせて―‐。










その内、死ぬ事ばかりを考えるようになっていく―。


階段から落ちたら死ねるかな?

今、車の前に飛び出したら死ねる?

車が突っ込んで来てくれないかな?

そしたら死ねるよね。

手首を切ったって、死ねない事は知ってる。

色んな事を考えすぎて、眠れなくなる―。

医者に掛かり、精神安定剤と睡眠薬を出して貰った。

その時、ふと思う。

この薬、沢山ためて全部飲んだら死ねる?









1週間後。

本当に久し振りに斎藤さんから電話が来た。


「のんちゃん、少しは元気になって、落ち着いた?」



「うーん。もう何もかも疲れちゃった。もう嫌!たかさんの所に逝きたい」



「ねぇ、あの時の言葉覚えてる?『もって3ヶ月』だって事」



「うん…」



「覚悟しろって言ったよね…。あの時のたかさんの肺への転移の仕方見て、誰もがもたない…そう思ってた。だから私は忠告した。なのに…。たかさんはのんちゃんのそんな顔見たくないと思うよ!私もそうだけど、笑ってるのんちゃんが好きだから。たかさんだってそうだよ!一緒に逝きたいだなんて、たかさんに失礼だよ!


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