【実話】ありがとう…。
「あっち、大丈夫なの?」



「おはよう、そんなに慌ててどうした?」



「どうしたじゃなくて!何であんな事があったのに、そんな冷静で居られるの?」

私は機関銃の様に捲し立てた。


「大丈夫だから電話してるんだろう!?」



「そうだけど…」



「昨日、来てくれたんだな。手紙見て分かった。ありがとな!」



「うん…。メールしても、携帯鳴らしても出ないし、心配で行ったら凄い苦しんでてビックリした…」



「昨日が一番辛かった。でも大丈夫だから。な?」



「仕事休めないの?」



「俺が休む訳にはいかない。店に迷惑かかるしな。望だって仕事だろう。帰ってから少しは寝たのか?」



「ううん。色々考えてたら朝だった。私も休めないから、仕事に行くよ」



「無理するなよ!」



「あっちもね!…仕事終わったら、部屋に行ってもいい…かな?」

遠慮がちに聞いてみる。


「あぁ、構わないよ。望が来るまでに仕事上がれる様に頑張るな!」



「うん!じゃあ、夜にね」

電話を切り、仕事に行く用意を始める―。


あっと言う間に仕事に行く時間だ。


バタバタと階段を降り、


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