【実話】ありがとう…。
「行ってきます」



「行ってらっしゃい。気を付けてね」



「あっ今日、仕事の帰りに真っ直ぐ出掛けるから、晩御飯いらない!遅くなるかも…って事でよろしく!」

慌ただしく仕事へ向かった。


仕事も順調に終わり、さっさと着替えて、病院を後にし、あっちのマンションに向かった―。


歩きながら、色々な事を考えていると、余計な考えまで、頭の中を過る。


たかさんは何故こんな事するんだろう…。


私じゃなく…あっちに。

ただ気に入らないだけで、ここまでする?


この時はまだ、この先の未来に起きる事なんて、考えもしなかった―‐。







たかさんは知ってたんだ―。


だから、自分の身を犠牲にしてまで、私の事守ろうとしてくれたんだね…。


なのに、この時の私は気づきもせず、あっちの事で頭がいっぱいだったんだ―‐。



色々考えながら歩いてたら、あっちのマンションに着いた。


階段を上り、チャイムを押すが返答は無い。


「やっぱりまだ帰って来てないか…」


合鍵を差し込みドアを開ける―。


部屋へ入ると物音一つしない。


空気が冷たく感じた。

何だか落ち着かなくて、タバコを吸おうとしたら、灰皿は吸殻でいっぱい。


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