【実話】ありがとう…。
「そんなに見たら、穴が開いちゃう」


何だか照れ臭くて、素っ気なく言ってしまった。


あっちはそれに気付いたのか、クスクス笑っている。


「そろそろ行くか!」



「うん」

返事をすると、車は動き出した。


暫く走ると、目的地に着いた様だった。


「着いたよ!」


返事をし、慌てて車を降りる。


店の中に入ると、とてもお洒落で、落ち着いた感じの店だった。


「お洒落な店だね!置いている物も、アンティーク調で素敵だし♪」


あっちは振り向き、嬉しそうに笑った。


すると、奥の方から一人の男性が出て来た。


「ありがとうございます」

と頭を下げた。



「瞬(しゅん)、久し振りだな!元気だったか?あっ、紹介するよ、彼女の望」



「初めまして、望です」

と言い、頭を下げる。


「望、コイツは昔からのダチの瞬」



「篤(あつし)とは、昔っからの腐れ縁でね!悪さもいっぱいした仲なんだよ。望ちゃんよろしくね!」


瞬さんは、爽やかに笑った。


「瞬さーん」

奥の方から瞬さんを呼ぶ声が聞こえる。


「今行くー」

と返事をし、

「篤、悪りぃ。望ちゃん、ゆっくりして行ってね」


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