【実話】ありがとう…。
母と話をしながら、30分程歩き、やっと道が開け、小さな繁華街に出た。


帰りに乗るバスの停留所も近い店に決め、入る。



「いらっしゃいませ~」


母と二人、小上がりに座る。


座って少しすると、お水とおしぼりを持って店員が来る。


「決まりましたら、呼んで下さい」


「はい。何にしようか?」



「う~ん。私は、このお薦めの寿司セットにしようかな」



「お母さんも同じのにしようかな」

と笑い、店員を呼ぶ。


「お決まりですか?」


「寿司セット2つお願いします」



「畏まりました」


暫く母と話していると、寿司セットが運ばれて来た。


「お待たせしました。こちら寿司セットになります」



「凄い豪勢だね!美味しそう」



「本当だね!食べれなかったら、無理しなくて良いんだからね?」



「うん、いただきま~す」

寿司を一口食べ、

「美味しい!」



「本当だね、美味しいね!」

とニッコリ微笑む。


「今まで、心配掛けてごめんね…。これからは、また元気な私に戻るから!」


母は嬉しそうに微笑んだ―‐。


美味しいと思って食べていたが、急に望の箸が止まる。


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